セキュリティに関するおすすめ資格10選|資格取得のメリットや注意点も解説

社内のセキュリティ環境を整えるには、「従業員にセキュリティに関する資格を取得してもらう」という方法も考えられます。セキュリティリテラシーが高い従業員が増えることで、トラブルが発生する可能性を低下させ、万が一の際にも適切な対応を行えるようになります。

本記事ではセキュリティに関するおすすめ資格の紹介と、資格取得によるメリット・注意点を解説します。

目次

セキュリティに関する資格の必要性について

セキュリティ資格を保有している人材を集めることがなぜ必要なのでしょうか。以下では、セキュリティ関係の資格を取得する必要性について解説します。

情報の価値が高まっている

近年は情報の価値が高まり、多くの企業がさまざまなデータを取り扱うようになっています。そのため企業は自社の情報を正しく取り扱い、適切な環境で守ることが必要になっています。情報を守るための方法は多数ありますが、その1つにセキュリティの知識・技術を社内の従業員に理解させる施策が考えられます。

従業員にセキュリティに関する資格を取得してもらい、社内で適切に情報を管理・保護できる環境を整えていくことは企業にとって重要な施策の一つと言えます。

サイバー攻撃の被害は増加している

情報の価値が上昇するのに合わせて、サイバー攻撃の被害も増えているのが昨今の問題となっています。警視庁の「令和4年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、ランサムウェアによる被害件数は230件(前年比で57.5%)と、大幅な増加をみせています。

インターネットバンキングに係る不正送金事犯は1,136件で、被害総額は約15億円(前年比94.5%、85.2%)と、こちらも大きく増加しています。これらのサイバー攻撃に対応する方法の一つとして、従業員のセキュリティリテラシー向上があげられます。

参考:令和4年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について|警視庁

セキュリティに関する資格を取得するメリットとは?

セキュリティに関する資格を取得することには、企業と従業員にさまざまなメリットを与えます。具体的なメリットを提示することで、従業員の資格取得に対するモチベーションを高められます。以下では、セキュリティ資格の取得における主なメリットを紹介します。

社内のセキュリティ環境の見直し・改善につながる

セキュリティに関する資格を持つ従業員に監修してもらい、社内環境の見直しや改善を進められる点がメリットの1つです。専門知識を持つ人材の意見を参考に、直すべきセキュリティポイントを把握できれば、具体的な施策を計画したうえで実行に移せます。

セキュリティ対策に力を入れたい企業にとって、セキュリティに関する資格を持つ人材は重要な存在となるでしょう。すでにセキュリティ資格を持つ人材を新たに採用する方法もありますが、すでに信頼関係が構築できている従業員に資格取得を促すことで、社内事情に精通した人材に環境整備を任せられるというメリットがあります。

継続的なセキュリティ対策が可能

サイバー攻撃の種類は多様化し、さまざまな手法によって被害が出ています。セキュリティに関する資格を持つ専門家を社内に置くことで、継続的にセキュリティ対策ができる点もメリットの1つです。変化するサイバー攻撃に対しても、社内に詳しい人材がいれば柔軟に対応しやすくなります。

将来を見据えたセキュリティ環境の整備を目的として、専門資格の取得を推進することも考えられます。

セキュリティ意識の向上を進められる

セキュリティに関する資格を持つ人材を活用して、社内のセキュリティ意識向上を進めることもできるでしょう。セキュリティの重要性やリスクを把握できていないと、ヒューマンエラーで問題が発生することもあります。セキュリティに関する資格を会社が評価し、セキュリティの重要性を認識してもらうような社内啓蒙活動を推進していくことが、トラブルを未然に防ぐことに繋がります。

セキュリティに関するおすすめの資格10選

セキュリティに関する資格の取得を目指す際には、まずどのような資格があるのか把握する必要があります。そのうえで自社に役立つ可能性が高い資格を選別し、従業員に対して取得を促すのが基本です。以下では、セキュリティに関するおすすめの資格を10個に厳選して紹介します。

おすすめのセキュリティ資格1.情報処理安全確保支援士試験

「情報処理安全確保支援士試験」は、サイバーセキュリティに関する国家資格として最初に認定された資格です。昨今増加するサイバー攻撃に対応するために、専門知識と実践的なスキルを持つ人材を育成するための資格として、幅広く認知されています。試験方法は多肢選択式(四肢択一)の筆記試験で、正答率60%以上で合格となります。

合格率は20%前後と低く、難易度の高い資格に分類されるでしょう。そのため取得した従業員がいれば、高度な知識・技術を用いたセキュリティ施策の実行が可能です。

情報処理安全確保支援士試験|IPA(情報処理推進機構)

おすすめのセキュリティ資格2.情報セキュリティマネジメント試験

「情報セキュリティマネジメント試験」は、企業などの組織で情報セキュリティの管理・運用を担当できる人材と認定する資格です。日常的に情報漏洩などのトラブルを防ぎつつ、インシデントの際に適切な対応ができる人材が取得できます。社内でセキュリティマネジメントを担う従業員に取得してもらうことで、安全性を高めることが可能です。

試験科目はA・Bに分類され、多肢選択式によって回答します。合格率は60%前後となり、きちんとした準備ができれば合格の可能性を高められます。

情報セキュリティマネジメント試験|IPA(情報処理推進機構)

おすすめのセキュリティ資格3.情報セキュリティ管理士認定試験

「情報セキュリティ管理士認定試験」は、一般財団法人全日本情報学習振興協会が認定する公的資格の1つです。資格取得者はサイバーセキュリティを理解した人材として、社内で管理者や指導者の立場で活躍できます。セキュリティに対する意識の向上などを、社内で先導する仕事を任せることも可能です。

あらゆるサイバーセキュリティに関する知識が求められるため、情報セキュリティに関する知識全般を得られる点がメリットです。試験の合格率は50%前後となるため、一定の勉強時間を確保する必要があります。

情報セキュリティ管理士認定試験|全日本情報学習振興協会

おすすめのセキュリティ資格4.CompTIA Security+

「CompTIA Security+」とは、シカゴで発足した非営利のIT団体「CompTIA」が認定するセキュリティ資格です。ネットワークの課題やリスク管理の方法など、実際の業務で役立つセキュリティ知識を学べる点が特徴です。有名な国際資格であるため、海外とのグローバルな連携を目指す企業にとっては、セキュリティの高さをアピールする要因になり得ます。

CompTIA Security+のほかにも、「CompTIA PenTest+」「CompTIA CySA+」「CompTIA CASP+」などの資格が認定されています。

CompTIA Security+|CompTIA JAPAN (コンプティア 日本支局)

おすすめのセキュリティ資格5.SPREAD情報セキュリティマイスター

「SPREAD情報セキュリティマイスター」は、一般財団法人草の根サイバーセキュリティ推進協議会(SPRED)が認定する公的資格です。インターネットの安全利用のためのアドバイスなどが行える「SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定」の上位資格にあたり、より専門性の高い領域でセキュリティの管理・安全確保が可能です。

受験の際にはSPREADの一般会員かつ、SPREADサポーター資格を持っている必要があります。

SPREAD情報セキュリティマイスター|草の根サイバーセキュリティ推進協議会

おすすめのセキュリティ資格6.公認情報システム監査人(CISA)

「公認情報システム監査人(CISA)」とは、情報システムにおける監査やセキュリティコントロールに関する高度なスキルを持つ人材を認定する国際資格です。海外で特に注目されている資格ですが、昨今のサイバー攻撃の増加によって日本でも認知度が高まっています。

試験は「情報システム監査のプロセス」「ITガバナンスとITマネジメント」などの5つのドメインによって構成され、それぞれの領域で十分な知識・技術を披露する必要があります。また、資格取得後は毎年20時間をかけて継続専門教育を受講しつつ、3年間の報告期間中にCPEを120 時間受講する必要があります。

公認情報システム監査人(CISA)|ISACA東京支部

おすすめのセキュリティ資格7.公認情報セキュリティマネージャー(CISM)

「公認情報セキュリティマネージャー」とは、情報システムコントロール協会(ISACA)が認定するセキュリティ資格です。情報セキュリティにおけるマネジメント領域の知識に特化しているため、セキュリティの担当者やマネージャーのほか、コンサルタントが取得するケースも多いです。

試験合格後にはCISMの認定を受けるために、職業倫理規定を遵守して5年以上の実務経験を積む必要があります。

公認情報セキュリティマネージャー|ISACA東京支部

おすすめのセキュリティ資格8.個人情報保護士認定試験

「個人情報保護士認定試験」は、一般財団法人全日本情報学習振興協会によって認定される資格です。個人情報保護法を正しく理解し、企業が個人情報の活用・管理・運用を適切に行うためのサポートができる人材が取得できます。セキュリティ資格としてよりも、法律関係の資格として分類されることも多いです。

試験は「個人情報保護の総論」と「個人情報保護の対策と情報セキュリティ」の2種類に大きく分けられ、合格率は35%前後とやや低めになっています。

個人情報保護士認定試験|全日本情報学習振興協会

おすすめのセキュリティ資格9.GIAC

「GIAC」とは「Global Information AssuranceCertification」の略称で、セキュリティ技術のプロとして活躍できる技術を持つことを証明できる資格です。アメリカにおいてはセキュリティ分野の最上位資格と認知されているため、取得を目指す人が多いです。

GIACにはさまざまな種類があり、特に「GSEC(GIAC Security Essentials)」はセキュリティ資格における最難関といわれています。いきなりGIACの取得を目指すのではなく、まずは基本レベルの資格を取得しつつ、少しずつ知識を身につけて受験の準備をする方法がおすすめです。

GIAC|SANS JAPAN

おすすめのセキュリティ資格10.AWS認定セキュリティ

「AWS認定セキュリティ」は、Amazonのクラウドサービス「AWS」のシステムに関する専門資格です。AWSを使用するうえで理解すべきセキュリティの問題を理解し、解決するスキルを持つことを認定します。自社でAWSを使用している場合には、セキュリティ担当者にAWS認定セキュリティの資格取得を促すことが考えられます。

試験は通年で実施されているため、受験者のタイミングで受験が可能です。

AWS認定セキュリティ|Amazon Web Services

セキュリティに関する資格の選び方

セキュリティの関連資格を取得する際には、自社の環境や従業員にあった資格を選ぶのがおすすめです。以下では、セキュリティに関する資格の選び方を解説します。

社内のセキュリティ問題を把握したうえで選択する

社内におけるセキュリティの現状を把握し、問題を解決できる資格を選別することが基本です。自社で直接的に役立つ資格を取得することで、スムーズにその効果を実感できます。現状を把握することは、セキュリティの課題を共有し、リスクを減らすことにもつながります。

従業員のキャリアに活かせる資格を選ぶ

従業員の今後のキャリアに活かせる資格を選択するのも、1つの方法です。取得によって昇進・昇給などの可能性があると分かれば、勉強のモチベーションを高められます。セキュリティの知識・技術は将来に役立つ可能性が高いため、その点を説明して取得を促すのもポイントです。

取得難易度を参考に選ぶ

取得が難しすぎる資格ばかりを評価の対象にすると、積極的な取得が望めない可能性があります。現実的に自社の従業員が取得できる難易度を把握し、誰もが挑戦したいと思えるように設定することが重要です。

セキュリティに関する資格を取得する際の注意点

セキュリティ資格を取得する際には、いくつか注意すべきポイントもあります。以下では、セキュリティに関する資格を従業員に取得させる際の注意点を解説します。

資格取得をゴールにしない

セキュリティの資格を取得して終わりではなく、その後に活かせるかが重要です。資格取得をゴールにせず、きちんと事業で活用する方法や組織作りを企業側が考えておく必要があります。セキュリティ資格の必要性や活用方法を社内で共有し、積極的に獲得した知識を活かしてもらうのが理想です。

セキュリティ環境を適切に整えるのなら外部サービスの利用がおすすめ

セキュリティの資格取得者だけでは、適切な環境整備が難しいこともあります。その場合には外部の専門家に依頼し、プロの視点からセキュリティ対策を進めることも必要です。セキュリティ専門のサービスを活用すれば、予防から問題の発生時における対策まで、まとめて支援が可能です。

セキュリティ資格の取得と同時に、外部サービスの利用も検討してみてください。

Proactive Defense」ならセキュリティ対策を一気通貫でサポート可能!

「Proactive Defense(プロアクティブ ディフェンス)」は、企業が必要とするセキュリティ対策を一気通貫でサポートできる専門サービスです。情報セキュリティに特化した高度資格保有者で構成されたプロフェッショナルチームが、最新情報を適切に把握しながら必要なセキュリティ環境の整備を支援します。

セキュリティにおける診断・予防・問題解決というすべての要素に対して、責任を持って対応できるため、安心して作業を委託していただけます。どのように進めればよいか相談したい、という場合にはコンサルティングサービスをご検討ください。

まとめ

社内のセキュリティ環境を強化するには、従業員にセキュリティ関連の資格を取得してもらう方法があります。セキュリティの知識・技術を持つ人材が増えれば、それだけ安全な環境を社内に整備できます。上記で紹介したさまざまな資格を参考に、自社に必要なものをピックアップしてみてはいかがでしょうか。

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